クソリプの考察
CAUTION
この記事は2019/03/27にnoteに投稿した「クソリプの考察」の加筆修正版です。
「「りんごが好き」とツイートして「僕はいちごが好き」と言われても「だからどうした?」となる。」
「会話の始点は「どんな果物が好きか?」ではない。「私はりんごが好き」が始点。
これが"自分語り"です。いちごの話をしたいなら勝手にどうぞ。」
とある方のこの呟きに対して
「「りんごが好き」「僕はいちごが好き」「そうなんだ、同じフルーツ好き同士だね」
ってならないの?」
というリプが来ていて純粋に「面白いなー」と思った。
(内容的にアカウント名を出すのが憚れるのでちょっと編集して匿名で引用させていただきます)
確かにそうなんです。そうなんだけど、ならないよね。
SNSだけじゃなく、リアルでもこういうやりとりはあると思っていて、そのやりとりが成立する(クソリプと面と向かって言われない)には
- 相手との関係性や性別
- 普段している話
- 本人の許容 ≒ 気分(!)
などなど、色んなことが影響してくる。
「上司や目上の人だから」とか、「片思いの人だから」とか。
「自分が会話を拾う役割を持つ(拾いたい)から気にならないこと、気になってもスルーできること」がSNSだと特に目につきやすい。
気をつけたいという気持ちと「どうしてクソリプだと思うんだろう?」を言語化するために書き出してみた。
何故クソリプなのかが分かれば逆にクソリプ8割打者になれちゃうよ!(なりたくない)
会話の始点が「りんごが好き」
まず、会話の始点が呟きでも仰られている通り 「りんごが好き」 なことに注目しよう。 「フルーツ何が好き?」 ではない。
始点が感想めいたものの場合、見るべき順番は
「わたしは」(主語)←2番
「りんごが」(目的語)←1番、絶対外しちゃダメ
「好き」(形容詞・動詞)←3番
。対して「僕はいちごが好き」は
「僕は」(主語)
「いちごが」(目的語)
「好き」(形容詞・動詞)
で、始点の主語とも目的語ともイコールではない。
「りんご」は別の果物の「いちご」になっている。
(いちごは野菜だ〜とか置いておいて!)
「同じフルーツじゃないか!」ではないのだ。 始点を思い出して欲しい。「フルーツ何が好き?」ではない。
そこは好きなものを発表し合う場ではなく、「りんごが好き」なことを言っている場なのだ。
極論、このリプライを受け取った主からしてみれば
「わたしはりんごが好き」
「僕はこたつが好き!」
というやりとりと同じ。
始点が「好きなこと発表会しましょ!」ではないので、なんのキャッチボールにもなっていない。ただ自分の話をしているだけ。
「そういうのは会話とは言わない。リプではなく自分の呟きでやってくれ」 と主は言っているのだ。(多分)
なぜ相手の気遣いを求めるのか
上記のすり替えから
「そうなんだ、同じフルーツ好き同士だね」を出すまでには、 呟き主の許容と共通項探し が必要なことが分かると思う。
リプした人の謎の発表会による話の切り替えによって、呟き主に労力がかかる。
だから返しにくい。クソリプが嫌われる。
「同じだね!」という温厚なワードは、フルーツという単語が1度も出てきていない状態で「りんご」と「いちご」の共通項を見つけた呟き主の優しさから出る一言なのである。
りんごが好きだと思ったら、「僕もりんご好き!美味しいよね!」でいいのだ。そちらの方が断然嬉しい。
じゃあどうやって話せばいいんだ
どうしたらクソリプじゃなく話せるんだろう?
問題は 相手の言葉が受け取れていない状態 にあることなので、そこさえ抑えてしまえば話はできるはず。
(現段階で「それじゃ誰とも話せないよ!もういい!」などと思考を止めたら試合終了だ、頑張ろう)
「あなたはりんごが好きなんだね」と言葉をそのままミラーリングをするのは、「あなたの言葉を受け止めたよ」という安心感を与える一歩だ という記事をいくつか見たことがある。
もちろんそれだけでは正確には返しになっていないが、話す前に言われた言葉を主語を自分以外にして組み直してみるのは良い手かもしれない。
そこから返しの言葉を出すと、日常会話での "相手の話を聞いて、言葉を返す" 、その感覚のままリプできるのではなかろうか。
日常もクソリプ気味だったら習慣にするとすんなり会話ができるかも・・・?
目的語忘れるべからず
具体的にどういう言葉をかけたら良いのかは、某会話の上手なお姉さんに教えてもらった手法を使ってみる。
始点の言葉の分解も改めて↓
「わたしは」(主語)←2番
「りんごが」(目的語)←1番、絶対外しちゃダメ
「好き」(形容詞・動詞)←3番
「りんごが好き」と言っているので 「いちご」ではなく「りんご」をテーマに話をすれば良い。
さらに主語が「わたしは」なので、それも拾うとなお良し。
まずは相手の言った言葉に対して受け止めの言葉、
「そうなんだ!」。
(SNSでは略)
に続けて
+ 好きなら共感 「僕もりんご好き!(美味しいよね!)」
+ 5W1Hを頭に浮かべて展開
の流れ。先述の通り共感までで終わらせても良い。むしろ無難。
ここからは展開例を挙げる。
疑問文
「おすすめのりんごスイーツある?甘いもの好きで・・・」
「りんご食べたくなった〜、最近食べて良かったのとかある?」
疑問文は作りやすい。
ただ会話が長引きそうな質問・文章は好まれないこともあるので注意。(関係性を見誤るべからず)
平叙文系
これは注意が必要。
「〇〇ってとこで食べたりんごゼリー美味しかった!食べてほしい〜!」 (こればかりやっていると知識のひけらかしになる可能性があるのでNG、関係性を見誤るべからず)
「〇〇って品種好き!」 (共感必須、マウントになる可能性もあるので注意、関係性と本文の内容を見誤るべからず)
「今りんご食べてたwww」 (共感のノリ必須)
そもそも「りんごが好き」という文に共感以外のリプを投げる場合、
- 相手に興味がある
- 今食べてる
- 相当なりんごオタク
- マウントを取りたい(≒相手に興味がある)
のどれかな気がする。
「自分は元々知識があなたよりも豊富です」というマウント的な態度(言葉)
と
「やりすぎ」
を避ければ基本的に自由に展開できる。(「りんご」ちょっと難しかったけど)
が、
あくまで始点の主語が「わたしは」なので自分の話ばかりすると嫌がられる。通常会話でも同じかも。
キャッチボールする気持ちを忘れず「?」を使いながら自分のことも話していけば、お互いがお互いのことを理解できる良いコミュニケーションになるのではないだろうか。
ちなみに対面での会話だと、浮かばなかったら 「そうなんだ!他には好きな果物あるの?」 で、 「良いね!なんだかフルーツたっぷりのケーキ食べたくなっちゃった〜」 とかが成立するけれど、
SNS(特にtwitter)はそもそも本人の画用紙(フィード)に本人が落書きを(投稿)しているようなものなので、「リプをする」という行為自体が「相手の場にお邪魔する」のと同義になると考える。使い方は人によるけども。
なので、別に他のことなんてわざわざ聞かなくてもいい。
りんごが嫌いだった場合
嫌いならあえてリプする必要はない。
が、どうしてもリプしたい場合「嫌い」だということをまず言わないか、「改善したい」前向きな気持ちをプラスする。オススメを聞くのが楽。
「オススメのりんご(レシピ)知りたい!」
もし「好きなの?」と聞かれたら「ううん、嫌いだから克服したいなって」と素直に言えば良い。
「りんご苦手なんだけど、これなら美味しいから好きになれるかも!ってオススメある?」
「味は好きなんだけど、シャリシャリして苦手なんだ・・好きになったきっかけとかあった?」(?)
(え、りんご本当に難しい・・・)
他の5W1Hの情報を加えればさらに返しやすく、もしかしたら有益なリプになるかもしれない。
(相手がそんなに詳しくなさそうな雰囲気だったらやめた方がいいと思う)
「僕りんご嫌い」だけだと 「そうなんだ」 しか出てこないのだ。
もはやこれはクソリプでも何でもないと思う。
好きなことをぽつんと言ったら思わぬ方向から嫌いと自分の嗜好を投げられた挙句、こちらが聞かないと会話が続かない状態はしんどい気がする。
例えば、(魔女の宅急便の)キキがtwitterに「ニシンのパイが好き」を書いたら、思わぬ方向から「わたしこのパイ嫌いなのよね」とリプがきた時の気持ち。
好き嫌いは人それぞれ、主義主張が異なるのは当然だけれどリプする以上は「会話する」ということを少し意識した方が良い。
対面で、見るのも嫌なりんごの話題になったら「ごめん僕りんご本当にダメなんだ・・・別の話してもいい?」で良いけれど、SNSはスルーも自由なので。
何でもかんでも無理矢理絡みに行かなくたって良いじゃない。ミュートもブロックもある。
好きを伝えるのはとてもいいことだけど、SNSではそれ以上のことが必須ではない。
正直SNSのリプで疑問文だらけでもなんだか違和感があるし、何事も、適度に。
クソリプを作ってみよう
さて、クソリプを作ってみよう!(どうして)
これまでの「クソリプはなぜクソリプなのか」が分かればやることは明白。逆をやれば良い。
- 相手の話を無視して自分のことだけ言う
- 前向きな疑問文を使わない
- 人の呟きでマウントを取る
- 煽る
- 広げられる情報をなくす
- 意図を見せない
- (軽率に否定する)
ポイントはちょっと友好的な態度で行うこと。冷たくてきつい態度はただの嫌な人。
「りんご好きだな〜美味しい〜!」編
「すごい(^_^;)」
何がすごいのか。顔。
「りんごって美味しいんですよ。」
美味しいと書いているのだが。
「へえ〜」
興味がないのにリプをする意味とは。
「前までいちご買ってたけど今はみかん買ってる」
それで?
「遊園地楽しかった!」編
「え〜疲れるだけじゃない??」
疲れるのと楽しいのは別なこともあるぞ。
「家の方が楽」
えーこちら、楽しかったです。
「嫌いだな〜」
そうか。
「普通はそう思っちゃうんですよね(笑)」
?
・・・・・
・・・・・
・・・・・
とにかく! 楽しくハッピーなコミュニケーション を目指したいものです。
こんなに書いておいてあれですが、わたし自身別段話すのが得意な訳でもないので。あくまで個人的な分析と対策です。
ただ誰かのコミュニケーションの潤滑油の一滴になれたら嬉しいです。
クソリプごっこは心身を削るのでオススメしないよ!